ところ変われば?!

お医者の話

1月元旦にオハイオからモンタナへと戻ってきました…とおもったらしばらくして、子ザル君は今までにかかったことのないほどの風邪をひき…。
毎日8度を超す熱の割にはたいして普段と様子も変わらずいたずら小僧ですごしていたかと思いきや、いきなり先々週の日曜日午後、幾分熱が下がってほっとしたのもつかのま、午後に突然「耳が痛いよう、あたまが痛いよう!!」と泣き叫ぶ始末。めったなことでこんなに泣いたり叫んだりしない子ザル君にこちらもどうすればよいやら…と思うばかり。だっこしてあやしても、この状態が静まることなく半日が過ぎていきました。
あいにくの日曜日、病院は急患のみの対応です。

ここからが日本と違うところで、急患といって、だれでも受け付けてはくれません
アメリカでは基本的に予約診療が原則なので、まずは病院へ電話、看護婦さんにつないでもらって事情説明。その後直接当直医から、診療すべきか否かの最終判断のために電話がかかってきます。
今回も電話をかけてお医者さんと話をしたら「痛みどめを飲ませて2日ほど様子をみるように」とのこと。

『こんなに痛みを訴えてるのに診てくれないなんて…」と憤りを感じつつも、痛みどめをさらに追加してのませてみたらば、やっと少しほっとして眠った様子に、こちらも少しほっとして眠ったのでした。
翌朝3時に子ザル君がおきてきて、とてものどが渇いたのでのみものがほしいというので、こちらもさっきまで眠っていたこともあって小声で「アップルジュースがいい?」ときいてみたらば、まるでなにも聞こえないように苛立ちをみせて「ジュースをちょうだいっていってるのに~!!」というのにドキリとしたのです。

でも翌日起きてみると昨日訴えていた痛みをすでに超えたのか思いのほかに元気そうで、こちらも少し一安心。熱もすごし下がってるし、2日ほど様子を見ろといわれたし、、、というのでお医者に言ってもまた断られるであろうと、その日1日様子を見ることに。

ところがその晩再び40度に近い高熱をだし、その翌朝はもう聞こえないことが本人にも瞭然とするほどの状態で、さらには耳から血が出ており、鼓膜が破れたのであろうことが、一目でわかるほどの状態になったのでした。。あわてて再度医者に電話。今度は診察するから○○時にきてくださいとのこと。

医者で中耳炎のための抗生物質を処方され、点耳薬ももらって、もどってきたその日の夕方、もう一つの耳からも血が…。結局両耳とも、鼓膜が破れるという結果となったのでした。

驚いたのは、耳の病気とは縁遠かった私としては、意外に簡単に耳は病気になりやすいのだという事実と、思いのほかに鼓膜がやぶれてから治るのに数日しかかからないということ。

ーーーーーーーーーーー
さて、ここからがお医者さんの対応についての日本との違い

①日曜日、もしも日本だったら急患でとにもかくにも近くの病院に押しかけていたことでしょう。
②もしも万が一日曜医者にいかなかったとしても、月曜即座に近所の耳鼻科にかかっていたことでしょう
(アメリカではいきなり専門医にかかるということはまれです。小児科医が判断して専門医に行くようにいわれてはじめて検討するかんじ。)
③日本だったら鼓膜が破れるようなところまでいく前にきっとなんらかの処置がなされたに違いない


…と、とても悔しい思いをしたのですが。

実は今までアメリカの医者の制度というのは日本と違って素晴らしいと常々感じてきました。
日本では、急患だと駆けつける(特に小児科は)親が多すぎて、あわてて行っても何時間も待たされたりすることが多いうえ、急患でも結局診察券をいれて、順番を受け付けた順でしてしか見てもらえない日本に比べ、
アメリカでは必ず電話で先に受付をし、時間を設定されるので(これは初診でも、急患でなくても)行くと待合室で何時間も待たされるなんてことはありません。つまり、待合室でさらに病気の交換をするという率もずいぶん少ないわけです。

日本と違ってドクターが診察する前にまず1つ1つ個室の診療室に入り、看護婦さんから初めて体温をはかっってもらったり状態を尋ねられたりします。つまり、日本とちがって、大勢の待合室で、個人情報を知られるような質問をうけることもないし、大勢の患者がつかった体温計を待合室で胸を広げてはかる必要もないわけです。

看護婦さんが大体の状態を個室の中で患者さんからきいて、まずはドクターにその報告をし、その事前情報を得たうえで、個室にドクターが再び入ってきて診察をし、診断を下します。

日本のように国土が狭く、建物が大きく面積を取れないような場所ではこのような完全個室制と、完全な電話予約診療は難しいのだろうか? ぜひ日本も見習うべきがある。と思っていたのです。

ところが今回のようなことがあると、完全電話予約制もいい時と悪い時があるとも感じたのではあります。
だって、どんなに待合で待たされようが、行けば診てくれる日本であれば、きっと鼓膜が両耳破れてしまうなんてことはなかったはずなのですから。

ただ反対に、そんな大した大病でもないのにもかかわらず、急患として駆けつける多くの患者がいるのも事実。

さらに後日談としてお医者さんからいわれたのは、アメリカでは現在、スウエーデンなどの抗生物質処方に関する研究の結果として、抗生物質を投与せずとも、本人の治癒能力で実際60%のこどもが痛みを訴えても、鼓膜が破れるところにまで至らず完治することがわかってきたこと、薬物をすぐに投与することで、将来的に本当に必要になった際に効果がなかったり、多くの人々に薬を処方しすぎて本当に必要な人々に至らない状況を避けるべきという考え方から、子ザル君のように、痛みを訴えているという連絡があっても、現在ではすぐに急患として受け付けず、どの医師も、痛み止めをあげて2日ほど様子をみて、それでもまだ痛みを訴える(つまり自分の力で治っていく様子がない)場合、初めて抗生物質を投与するという処置をとるようになっているのだとか。

子ザル君はこの、「自分で治る」という状態に至らず、さらには、「様子を見ているあいだに鼓膜が破れる」という結果に至ったわけで。つまりは、この処置をとった場合の一番最悪のパターンに陥ったということになるのでしょうけれど。

実際に当事者になった場合には、日本の今の「どんな患者も、とりあえず急患として訴えれば診てもらえる」状況はとってもありがたく、北欧やアメリカのシステムの穴(様子を見すぎて手遅れになる)の危険性を感じる
ことにもなったのですが、反対にやはりいつでも混んでいる日本の病院のシステムについても、「本当に必要な患者に、本当に必要な処置が施されない」という事を認めないわけにもいかず、子ザル君が元気になってきた今となっては、一番よい医療システムとは何なのだろうということを客観的に考えることにもなったのでした。

(今回はまじめな話題。長々しく理解しがたい文章におつきあいただいたかた、ありがとうございました)
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by tinbraun2 | 2012-01-21 22:07 | 文化考

自然度たっぷりのアメリカモンタナの大地で起こるいろんな発見をお伝えしていきます
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